先日、シェルターの敷地内に、仔猫が2匹、段ボールに入った状態で遺棄されました。
何時から置かれていたのかわかりませんが、雨ざらしの場所に置かれていたため、段ボールには雨がしみこみ、留めていたテープがはがれかかった状態でした。
（段ボールの中で必死に叫んでいた2匹）
朝早めに出勤してきて下さったスタッフさんが鳴き声で気が付き、建物に入れてくれたところで、たまたま用事があってシェルターに私が到着、すぐに病院へ連れていきました。白っぽい子の方は特に猫風邪がひどく、目やにで目がふさがれています。低体温気味なので温めながら、インターフェロン、抗生剤の処置をしてもらいました。
毛布にくるまれて、安心したのかゴロゴロフミフミしながら眠り始めたのを確認して、こちらもほっと溜息。
・・・さて、少々面倒なのはここから。
このような遺棄があった場合、アニマルエイドでは全て警察に通報して、状況を確認して記録をとってもらっています。
しかし、毎回私が納得できずに警察官の方に文句を言ってしまうのが、受け付けてもらう届け出の種類。
大体今までは、状況をきちんと聞いては下さるのですが、受理される書類は「拾得物」届けか、「一時保護」の書類。
こちらが受理して欲しいのは「動物愛護法違反」。
簡単に説明すると、「拾得物」は道でお財布を拾ったのと同じなので、持ち主が現れたら返します、という内容。飼い主がいるかも、と判断された場合はこれになるのですが、大体私が「嫌です、返しません、もし現れたら動物愛護法違反で逮捕して下さい」と文句を言う。
明らかに捨て猫で飼い主がいない、と判断された場合も、本来は警察が保護するところをかわりに一時保護します、その間の経費は自分持ちで良いですという書類を書かされるのですが、「そうじゃないでしょ、動物遺棄で被害届を出したいんです」と毎回ごねてます。
警察もできることをして下さり、親身になって下さるので警察官の方に敵意があるわけではないのです。でも言わない事には始まらないし、まずは自分たちの訴えを聞いて欲しい、被害に遭っても自分で訴え出られない猫の代わりに、できることをしたいからです。
とはいえ、どうせまた面倒なおばさんからの通報だとか思われるんだろうな～と上尾警察に連絡、すると「直ちに向かわせます！」
・・・おや？ちょっといつもと違う？
程なくやって来てくれた警察官の方に状況を説明、穏やかに話を聞いてくれたあと、「この子達はどうします？」と聞かれたので、シェルターで保護して里親を探します。と答えました。そうすると・・・とやはり一時保護の書類を出されたので、
「そうじゃないんです。状況的に動物遺棄、愛護法違反なのは明らかでしょう。飼い主不明猫の保護というだけなら連絡しません、こういう風に遺棄する事が犯罪だと思うから来ていただいて、見ていただいたんです。」
「過去にこのやり取りも何度もしています、何とか動物愛護法違反として受けていただけないでしょうか」
ふむ、としばし考え込んだ警察官、ちょっと関係部署と連絡とりますね、と一旦戻られました。
その後、再度足を運んでくれ、猫達や入れられていた段ボールなどの写真を撮り、人為的な動物遺棄である事を記録に残し、周辺パトロールを強化して下さると返事をもらうことができました。
落とし物と同じように扱われなかっただけでも、本当に良かったと思いました。
誤解をしないでいただきたいのですが、今回の遺棄した人を、告発して罪に問うのが目的ではありません。もしかしたらこの子達を救いたいけど自分でできる事に限界があったり、事情があったのかもしれません。
それでも、雨の降る中、風邪で具合が悪い子を置き去りにしてしまうのは、絶対にしてはいけません。一歩間違えば、遺棄したことが原因で、今頃生きていなかったかもしれないのです。
私達も他の団体様も、仔猫が生まれ続けるこのシーズン、限界まで保護を続けています。全ての猫を受け入れることは不可能ですが、まずはご相談、できることはご協力ください。このような方法で一方的に託され、猫の命が危険にさらされる事は、どうしても納得できません。
今後も、万が一このような事がありましたら、全て警察に通報させていただきます。
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