アニマルエイドの新型コロナウイルス感染予防対策

埼玉県動物愛護行政の現状

埼玉県の猫の現状について、動物指導センターにお聞きしました。
平成29年の猫の殺処分ですが、9月末現在で525匹(成猫82匹、仔猫443匹)だそうです。
昨年の同時期より183匹減っているそうですが、まだまだこれだけの数の猫が処分されているのが現状です。
特に多いのが仔猫、手間の掛かる乳飲み仔猫です。
こちらは、仔猫対策としてミルクボランティア制度の設置の動きも出ているそうです。
他に多い相談として、隣近所の猫に対する餌やりに関する苦情が多く、餌だけ与えるとどんどん増える状況になるので、避妊・去勢手術のお願いをして、地域の理解を得て下さいと現地確認で行った際に伝えてますとの事。
飼い猫に関しては、室内飼いの上、避妊・去勢手術をお願いしているそうです。

 

アニマルエイドに寄せられる猫相談でも、子猫がいるけれどもどうしたらいいか?と指導センターに連絡したら、母猫がいるはずだからそのままにして、拾わないでと言われたという話もよく聞きました。
(ご相談者からの聞き取りなので、真偽の程はわかりません)
センターとしては、なるべく引き取らない、持ち込ませないという方針のようです。
全国規模で調べても、10年前と比べ、引き取り数は3分の1以下に減っています。

犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況(動物愛護管理行政事務提要より作成)
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html

それに比べ、返還、譲渡数は約5倍近くに増加しています。
里親様への直接譲渡もあるようですが、認定譲渡団体、個人ボランティアへの譲渡数が増えているのが大きいと思われます。
ただ、殺処分数が減っているイコール助かった命が増えている、という単純な図式ではないのです。

 

そして、アニマルエイドでは、センターから殺処分前の猫を救い出せば、殺処分の問題が解決するとも考えておりません。
私たちも活動の一環として、殺処分前猫の引き出しはしておりますが、個人持ち込みの猫に比べて、非常に状態が悪い猫が多いです。
緊急保護後、そのまま入院になったり、衰弱が激しく治療の甲斐なく亡くなる猫もいます。
費用的にもスペース的にも、殺処分前の猫の保護をメインにして活動を続けるのは、非常に困難です。
行政から補助金が出る訳でなく、センターの中で刻一刻と衰弱していく猫を水際で救い、自己犠牲で高額な医療費を負担し続けるより、センターに持ち込む前に、皆様に少しの負担をしていただき、健康な状態で里親様へ命のリレーをつなぐ。
里親様に迅速に譲渡する事によって、受け入れの数も増やすことができます。

 

助けを求めている猫に出会うことは誰にもある事で、相互扶助の気持ちでご参加をいただき、結果、センターに持ち込まれる猫の数を減らす。
これがアニマルエイドの目指す「殺処分ゼロへの取り組み」です。
ですが、まだまだご理解をいただくのは難しく、保護活動をしているのだから、負担をお願いするのはおかしい、結局お金が欲しいんじゃないか、という意見も根強くあります。
かわいそうだけど、飼ってあげられないから、ごめんねとセンターに持ち込み、その後どうなったかわからず、ご自身の心に棘となって後悔するのと、ちょっとお財布には痛いけど、アニマルエイドに依頼して里子に出るまで一緒に頑張ろう!と思うのと、どちらがいいでしょうか。

 

私たちは365日、猫の為に活動し続けます。
いつか、野良猫という言葉がなくなるまで。