地域猫という言葉、最近よく耳にするようになった方も多いのではないでしょうか。
外にいる飼い主のいない猫達が増えないように避妊去勢手術を行い、一代限りの命を全うしてもらうよう、近隣住民の方々にご理解をいただきながら見守るという、捕獲、殺処分という安易な解決法ではない取り組みです。その担い手はまだまだボランティアや愛護団体によって支えられており、住民の中でも意見が分かれる事も多く、どこの場所も金銭面にも人間関係にも非常に苦労をされています。
それでも365日、雨の日も雪の日も猫達のもとへ通い続けている方々がいます。
今回、実際に猫達のお世話はどんなふうにしているのか?どんな想いを抱えているのか?をお伝えしたくて、
川越の某公園にお邪魔させてもらいました。
PM6:40、待ち合わせの駐車場へ。
さっそくお出迎えの子が。
ご飯の来る時間をわかっていて、みんな集まってくるんですね。
車から重そうなカゴを取り出したお世話人のSさん。スーパーでよくある買い物カゴと同じくらいの大きさで、中にはドライフード、缶詰め、水、流動食やちゅーる、それに「今日はごちそうよ」とマグロのあらを煮てほぐしたものなどで山盛りになっています。
まず最初のポイントで、猫達の名前を呼びながらお皿に盛り付け、何か所にも置いていきます。
「この子はこれをよく食べるのよ」
「この子とこの子は仲が良くないから離して食べさせないと」
それぞれの好みや特徴や状態をよく理解して、微妙に内容が違うものを用意してあげています。
目立たない建物の陰にさらにお皿を置いて、2つ目のポイントへそのまま移動。
この時点で、かなり周りは薄暗くなってきました。
2番目のポイントは、なだらかな丘に低い垣根が広がるエリア。
広い眺望に、思わず「雨や雪の時もここで食べるんですか?」と聞く私に、にこにこと垣根を指さし、
「この中にね、猫達の隠れ家があるの。見える?」と言われますが、全くわかりません。
ここでもお皿をいくつか用意したSさん、慣れた様子で垣根の木の間をすり抜けていくと木の間に巧妙に雨風をよける工夫がされてました。
「公園は広いけど、なわばりがあるからね、そうそう移動はできないのよ。だから雨や雪だったらこの中に置いて食べさせるの。
毎年まだ捨てられたりする猫もいるけど、よほど強い子じゃないとその場にいられないのよ。
手術して戻して、少し離れたポイントで生き抜いてくれればそこにご飯を運ぶけど、数か月で姿が見えなくなる子も多いの。可哀想にね」
ここでもお皿を置くと、「ほんとはもう少し(猫が)出てくるんだけど、今日は知らない人(私)がいるから、また後で来ましょう。」と、その場を後にしました。
ちなみにここまでで私の腕は10か所以上蚊に食われてました。(虫よけスプレーはもちろんしています)